総合俳誌拾読「俳壇」2019年2月号

映画「こんな夜更けにバナナかよ」を観てきました。
24日時間体制の介助を必要とする身でありながら、親もとを離れてマンションでの一人暮らしを敢行し、ボランティアたちにわがまま放題を言いつつ、精神的には彼らと対等の立場で生き抜こうとした青年の姿を、ボランティアの若い男女の視点を生かしながら描いた作品です。大泉洋さんの主演でなければ、エンターテインメントとして成立しなかったでしょうね。
原作は実話をもとにしていて、当時この青年の選択を批判する人も少なからずおられたとか。難病・筋ジストロフィー患者が己れの尊厳を大切にして、自由意思で生きようとした試みだったのでしょう。観る価値あり。
さて、俳句。
第33回「俳壇賞」発表の記事を読みたくて、近隣の書店を2,3まわるも棚になくて、やむなくネット注文しました。
本阿弥書店「俳壇」誌は税込み800円で、他誌より廉価です。そのせいかamazonでは単独注文できず、他の本と抱き合わせで2千円を超えないと、受け付けてもらえませんでした。こんな変てこルール、いつから始まったんでしょうか。
「俳壇賞」(30句)の応募総数は338編だったそうです。内訳は10~20代8名、30代第18名、40代48名、50代69名、60代100名、70代73名、80代以上21名。角川の賞(50句)とは違って(たぶん)、高齢者が多いみたいですね。
予選通過25編。わたくしの応募作は、今年もまた60代100名の沼の底へと、あえなく沈んで行きました。
掲載されている候補者の作品をみても、それほど感動作はないのですが(負け惜しみ)。だからといって致命的な失敗句があるわけでもなく、どれもこれも粒揃いですね。そこんところが、拙作とのおおきな違い、か。
受賞者は中村遙さん。「斧」同人で、神戸の方みたいですね。
 とむらひの雨なり蕗の葉を叩き 中村遙
 フランスの石鹸使ふ土用かな
悔しいので、紹介は2句のみ。

by tsukinami_819 | 2019-01-25 06:43 | 読書感想 | Trackback | Comments(0)
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