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六四三の俳諧覚書



総合俳誌拾読「俳壇」2018年11月号

特集は「慶祝の俳句―言祝ぎのこころに迫る」で、結婚や出産や就職のときに詠む俳句をとりあげておられます。俳壇づきあい、結社内の交際でいうと、出版祝や受賞祝もあるでしょうね。まさしく挨拶句です。
俳壇時評のページでは、天野小石氏が『超結社句会の昨今』と題して、超結社句会の拡がりを論じておられます。
超結社句会の先駆けの一つに「塔の会」がある。成り立ちは昭和四十三年、俳人協会会員で当時俳壇では中堅だった世代が中心となって、結社を超えた句会を開催した。草間時彦、岸田稚魚、加畑吉男、鷹羽狩行の四氏が中心となり、他十名ほどが参加した。有馬朗人もアメリカから帰国後参加している。(略)「塔の会」はメンバーを変えて、現在も俳人協会の中枢を担っている俳人で継続している。
「超結社」という言葉は、短歌の会でも使われます。結社の枠を超えた同好の士の集まりという意味なら、昭和の時代にだってたくさん存在しました。超結社という用語そのものが現代俳壇で意識され始めた初期の集まりが「塔の会」なのかもしれませんね。調べたわけではないので、わかりませんが。
天野さんによれば、いまの四十代以降で、超結社句会に参加する人が増えているそうです。主宰をトップとする結社特有のタテ組織あるいは濃密な人間関係を煩わしく感じるせいでしょうか。いや、たぶん、それだけではないでしょう。結社に身を置きながらも、他の結社にいる(あるいはどこの結社にも属さない)同世代作家の多様な作品に直接触れたい、彼らから刺激を受けたいと意欲的に考えるからでしょう。結社外の俳人に関する情報を得る媒体が総合俳誌とウワサ話だけであった時代は、もはや過去のものです。インターネットの普及によって、現代俳人は豊富な情報を得ることができるようになってしまいました。
近い世代の同好の士との交際に加えて、豊富な(ときに猥雑な)情報をインターネットを通じて獲得できるようになったため、今後も、平成以降の超結社句会は次から次へと生まれては消えていくのでしょうね。
そうなると、「結社」の使命だって、徐々に変化せざるを得ないでしょう。主宰の教え、行動の縛りだけでは、生き残れない時代が訪れています。もっと結社制度の魅力を磨かなければならないでしょう。その一つが人材・才能の発掘と活用、でしょうか。
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by tsukinami_819 | 2018-11-10 06:43 | 読書感想 | Trackback | Comments(0)
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