上十三

「俳句αアルファ」の春号を眺めていたら、音大で教えておられるらしい津髙里永子さんが、こんなリズム論を書いておられました。
〈 凡そ天下に去来程の小さき墓に参りけり 高浜虚子
 計二十五音のうち、上五が「去来程の」までの十三音という句ですが、掲句の凄さは「およそ(三音)・てんかに(四音)・きょらいほどの(六音)」と、上五と見なされる部分が五音で切れていないところです。読者には上五は五音であるという凝り固まった認識があるので、どこまでが上五なんだろうと思わせながらも、この長さを一気に読ませてしまうからです。〉
なるほど。で、津髙さんの論旨は〈リズムを生み出すためには一句の出だしが大事です。〉という結びに向かうわけですが、わたしは、ちょっと違う感想を抱きました。
虚子さんって、ほんとは伝統破壊主義者だったのかも知れません。あるいは、破壊願望があったのかも・・・。自由律も、実は、やりたかった人かもしれませんね。なのに、歴史と、門人たちが、勘違いしたのかなあ?
by tsukinami_819 | 2018-04-24 06:43 | 読書感想 | Trackback | Comments(0)
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