早稲(わせ)、中稲(なかて)、晩稲(おくて)。違いを明らかに仕立てるのは難しいものです。
早稲の香や分け入る右は有磯海 松尾芭蕉 ご存知『おくのほそ道』の旅の終り近く、越中路から加賀に入るあたりで詠まれたもの。ありそうみは地名ですが、当時すでに歌枕でした。名句かどうかは、あまり問題にされません。 海の色濃き日の中稲刈るばかり 近藤明人 歌枕の教養をうしなった現代人にとっては、「海の色」のほうがピンとくるでしょうね。濃い蒼色が眼前に浮かんできます。 おしまいは、名作の殿堂入り。昭和三年作。<この句の背後には、無慈悲な重苦しい冬が、岩襖のようにそそり立って、近づいてくる跫音(あしおと)を感ずる。>と、山本健吉さんは鑑賞しておられます。山国の俳人、蛇笏さんならではの句境といえましょう。 刈るほどに山風のたつ晩稲かな 飯田蛇笏
by tsukinami_819
| 2010-10-06 08:32
| 秋
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